セラミックの成形方法

成形方法 セラミック
Sponsored Links

今回はセラミックの成形方法について説明します。適当な粒度調整と前処理を行ったセラミックの原料粉末は必要な形状に成形されて使用されます。今回は主要な成形方法とその概要を紹介したいと思います。

主な粉末成形工程

  • 加圧成形
    • 一軸加圧成形
    • 静水圧成形
    • ホットプレス
    • 熱間静水圧プレス
  • 塑性成形
    • 押出し成形
    • 射出成形
    • 転写成形
    • 圧縮成形
  • 鋳込み成形
    • 泥漿鋳込み成形
    • チクソトロピー鋳込み成形
    • 可溶性鋳型成形
  • その他の方法
    • テープ成形
    • 火炎溶射法
    • 生素地機械加工

加圧成形

加圧成形(pressing)では結合剤や潤滑剤を加えて流動性が良くなるように、前処理した粉末を金型に入れ圧力を加えて圧縮固化します。加圧成形ではセラミック粒子の間に一時的な結合を作る有機物を必要とすることが多くあります。そのため、バインダーと呼ばれる結合剤や潤滑剤の選定が非常に重要となります。

塑性成形

塑性成形(plastic forming)では、圧力で変形する粉末と添加物の混合物を成形します。粘土鉱物を含む系では、解膠剤、界面活性剤を加えて塑性成形用の混合物を実現します。粘土を含まない系では、可塑性を得るために20〜50 %の有機物を添加して圧力と同時に熱を加える必要があります。粘土/水系では成形品の乾燥中にかなり大きく収縮するためひび割れに注意する必要があります。有機物を添加した場合には、十分な生強度を得ることと焼成前に有機物を除去することが課題になります。有機物の除去が速すぎると亀裂やふくれや歪が生じてしまい、除去が不完全であると後の緻密化工程で亀裂やふくれを生じて不良品となってしまいます。

塑性成形法は伝統的セラミックスの製造方法として、手びねりや機械ろくろ成形など広く使われています。

鋳込み成形

鋳込み成形方法によって、高密度のAl2O3やAl2O3-ZrO2系の耐火物が一般的に作られています。ある種の研摩材は熔融体を金型に鋳込んで急冷して作られており、非常に微細な結晶から成る靱性の大きい材料が得られています。

セラミックスでよく用いられるのは泥漿鋳込み (slip casting)と呼ばれる方法です。この方法ではセラミックス粉末の懸濁液を多孔質の鋳型に流し込み、液体を鋳型に吸収させて成形品をつくります。この方法には懸濁液の粘性、鋳型の種類及び操作法によって多くの変形が発生してしまいます。

その他の成形工程

上記が基本的なセラミックスの成形方法ですが、それ以外にいくつか実践されているものもあります。今回はテープ成形と生素地の機械加工について簡単に紹介します。詳細はまた別記事で説明したいと思います。

テープ成形

電子機器用の基板、熱交換器、排ガス制御装置などの分野でセラミックスの薄板が必要とされますが、これを製造する効果的な方法としてテープ成形法 (tape forming)が開発されました。ドクターブレード法、紙鋳込み法、ロール成形法などがあります。

生素地の機械加工

生素地加工(green machining)はその名の通りセラミック部品を緻密化する前に行う機械加工のことです。焼成前の成形体は非常に壊れやすいため、固定具や工具の設計には細心の注意が必要です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました