二次電池の性能因子と要求事項

二次電池の性能因子 電気化学
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https://konju-ceramic.com/secondary-battery-overview/にて二次電池について説明しましたが、近年ではより高性能な二次電池が要求されてはじめています。そこで、今回は高性能二次電池における性能因子と要求事項に関して解説します。

高性能二次電池とは

二次電池を高性能化するためには、以下に示す様々な性質をハイレベルに持ち合わせることが必要になります。

  • エネルギー密度
  • パワー(出力・入力)
  • 寿命(保存寿命、サイクル寿命)
  • 安全性・信頼性
  • 作動環境
  • 環境負荷
  • コスト
  • 取り扱いやすさ

高性能二次電池に要求されている特性の例を以下に示します。

①軽くて小さく、多くのエネルギーを取り出すことができる
これはエネルギー密度の高い電池を意味し、基本的にはどんな用途においても望ましい特性になります。

②大きなパワーを出力できる
ラジコンやドローン、ハイブリッド自動車などでは、電池が小さくても大きなパワーを持っていることを求められます。すなわち、電圧が高い電池が求められています。充電することを実用面から考えると、短時間で充電できることが必要とされます。これは、入力が大きいこと、すなわち充電受入能が高いことを意味します。

③寿命が長い
何度も充電することができ、長期間使用可能なサイクル寿命が長い二次電池はどんな用途でも必要とされます。コスト面を考えても、電池の生涯発電量が大きくなるため非常に効果的です。また、高い充電状態で放置すると劣化が進む二次電池も多いため、充電状態で長時間保存する保存寿命も重要になります。

④信頼性、安全性が高い
電池はエネルギーの缶詰と言われます。高エネルギー密度で高出力の電池は、大きなエネルギーが圧縮されており、いつでも放出できる可能性を持っています。このような電池が何かのきっかけで異常反応が起こり始めると、急激な発熱や発火を引き起こします。電池が大型化すると、その安全性の確保は一層重要視されます。また、廃棄された時のことを考え、構成物質に毒性がなく環境に影響を与えないことが望まれます。さらに、情報機器やセキュリティー関係に使用される電池は、それが作動しないと思わぬ損害を引き起こすこともあるため、信頼性も極めて重要なものとなっています。

⑤使用温度範囲が広い
二次電池は小型の機器に使用されることが多く、寒冷地や高温環境下でもよく使用されます。そのため、できるだけ使用温度範囲が広いことが求められます。

⑥価格が低い
電池のコストは材料費に関わる資源量や材料製造過程、電池製造装置などの加工費など様々なものが含まれます。コストとしての試算は生涯発電量を含めたり、その廃棄のための費用を考えたり幅広い観点から議論されます。

現在、リチウムイオン電池は国内で年間1億個規模で生産されています。この大量生産は大幅なコストダウンがを担っています。製造技術の発展によりこのような大量生産の中で安全性が保てていますが、上記特性をすべて満足した理想的な二次電池を実現することは困難です。そこで、電池の用途に応じて強みを持った二次電池の開発が目指されています。

主な二次電池

この30年間の二次電池の進歩はめざましいものでした。ニカド電池の性能向上に加えて、1990年にニッケル・金属水素化物蓄電池、1991年にリチウムイオン電池が開発され、国内生産数の増加、エネルギー密度の向上に大きく貢献しました。早くに開発されていた鉛蓄電池やニカド電池は、理論エネルギー密度は高いものでしたが実際のエネルギー密度はその20〜30%程度でした。しかしながら、ハイテク電池といわれるニッケル水素蓄電池とリチウムイオン電池は、歴史が浅いにも拘わらず技術レベルが高く、理論的な限界に対する達成度が他の二次電池に比べて高いものになっていました。また、リチウムイオン電池は活物質材料に多様性があり、電解質、容器などにも多様なものが使用できます。そのため、今後もより高性能な電池の開発が期待されます。

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